N2日语读解练习(10)
分类: 日语
时间: 2023-07-07 18:49:56
作者: 全国等级考试资料网
次の文章は、[中学一年生のまり子の家は、両親と、祖母、姉の五人家族である。まり子をかわいがってくれた祖母は、今では一人で歩くこともできなくなり、いつも姉のりえが世話をしていた。]という話につづく部分である。よく読んで、あとの間に答えなさい。答えは、1234の中から選びなさい。
[ゆっくり歩きいや。]ねえちゃんは、注意深くばあちゃんの体を支えて歩き出した。トイレに向かう二人がまり子の前を通り過ぎる時、まり子はいつも、思い出したように①テレビのスイッチを入れてみたり、カレンダーをめくってみたりする。どんな顔をしていればいいのか、わからないのだ。まり子のばあちゃんは、いつでも元気でたのもしくなければ嫌だった。だから、ねえちゃんみたいにばあちゃんをトイレに連れていくことが、どうしてもできなかった。
ねえちゃんが家にいない時は、誰も手を貸せる者がいないから、ばあちゃんはおまるを使う。ばあちゃんは、おまるを使うのをとても嫌がった。まり子は一度、一人でおまるにしゃがんだまま、涙をぽろぽろこぼしているばあちゃんを見てしまったことがある。②胸がきゅんとなった。それでもまり子には、ばあちゃんをトイレに連れて行く勇気がでなかった。ねえちゃんは、トイレから戻ってきて、ばあちゃんを隣の部屋に連れて行くと、ガラス戸を閉めて、ぺしゃんと座り込んだ。[うちがお嫁にいったら、ばあちゃん、とうとうおまるばっかりになるねえ。あんなに嫌がっちょるのに。]まり子は、ひざの上の<りんごさん>をぎゅっと握って、黙ってダンボール箱へ押し込んだ。
十日ほどたって、ねえちゃんの婚約者と仲人さんが、婚約式の打合せにやってきた。うだるような暑さで、皆冷たいものを飲んでいたが、だが一人、ばあちゃんは、ほとんど何も口にしなかった。母さんが途中で気づいて茶を勧めても、ばあちゃんは小さく笑って、首を③横にふった。[のりえさんの小さい時の写真を拝見したいものですね。]という声に、まり子は気をきかせて、ばあちゃんの部屋にアルバムを取って行った。アルバムを取りだしたまり子は、なにげなく部屋を見渡した。(あれっ。)おまるを消えている。よく見ると、おまるは大きなふろしきでおおわれていて、その上に、去年、ねえちゃんがばあちゃんのために編んだ、うす水色のひざかけがかけてあった。(ばあちゃん、なんでこんなこと……)まり子は隠れたおまるをにらんだ。(ばあちゃん、おまるを見られるのが嫌だったんだ。ねえちゃんに迷惑かけたくなくて、それで④朝から何も飲まなかったんだ。)きがつくと、はだしで店先へ飛び出していた。(そうだ!)まり子はそのまま、物置へ走った。
しばらくして、まり子はみんなの前に戻ってきた。まり子は、ばあちゃんのそばに行くと、耳元でささやいた。[ばあちゃん、一緒にトイレに行こう。]ばあちゃんは、とっさにガラス戸の向こうを見た。そして、くちびるをかすかに動かしてまり子を見た。まり子は、ごわっとした、しわだらけの手を握った。ばあちゃんの体は考えていたよりずっと重く、立っているのがやっとだった。はじめの一歩がなかなか踏み出せない。[まり子、もうええよ。]ばあちゃんが言った時、誰かがひょいと、まり子のおしりを押した。[まり子、がんばれ。]姉ちゃんの声だ。はずみで右足がついっと出た。一歩、二歩.肩にかかる重さで何も考えられなかったが、ばあちゃんと二人で歩き出せた。まり子は、ひじでトイレのドアを開けると、ばあちゃんにあごで合図した。[ばあちゃん、<りんごさん>よ。覚えちょる?]⑤ばあちゃんは目を細めると、指の節がごきりと太くなった手で、手すをなでた。[手すり、握りやすかろ?<りんごさん>のすべり止め。]まり子は両足をふんばってばあちゃんの重みを支えながら、もう一度<りんごさん>を見た。
注1 ゆっくり歩きいや:方言。人を労わる感情がある。標準語では[ゆっくり歩いてね]注2 おまる:持ち運びのできる便器注3 うち:わたし注4 嫌がっちょるのに:方言。標準語では[嫌がっているのに]注5 [りんごさん]:幼いころ、祖母がりんごのアップリケをつけてくれた、まり子のおきに入りだったTシャツ。段ボール箱に入れて物置にしまわれていたが、姉が古着の整理をしている時に出てきた。
注6 もうええよ:方言。標準語では[もういいよ]注7 覚えちょる:方言。標準語では[おぼえている]注8 握りやすかろ:方言。標準語では[握りやすいでしょう]
問1 まり子は①[テレビのスイッチを入れてみたり、カレンダーをめくってみたりする]と書いているが、どうしてか。
1 カレンダーに面白いテレビ番組がある日が書いてあるから
2 ばあちゃんの顔を見たくないから
3 姉ちゃんの手伝いをしたくないから
4 元気なばあちゃんしか見たくないから
問2 ②[胸がきゅんとなった]時のまり子のきもちはどんな気持ちか。
1 ばあちゃんは年をとった。
2 ばあちゃんはどうして泣いているのだろう。
3 ばあちゃんがかわいそうで切なく感じる。
4 ばあちゃんが泣くなんて、大人気ない。
問3 ③[横にふった]の意味はなにか。
1 いりません2 どう言う意味ですか3 あとでいいです4 気を使わないで
問4 ④[朝から何も飲まなかったんだ]のはどうしてか。
1 喉が渇いていなかったから
2 誰も飲み物をもってきてくれなかったから
3 トイレに行きたくなかったから
4 お茶がそばに置いていなかったから
問5 ⑤[ばあちゃんは目を細めると]と書いているが、ばあちゃんはどうして目を細めたのか。
1 どうして滑り止めを手すりに巻いたのか、考えたから
2 目がよく見えなかったから目を細めたから
3 新しい布を使っているかどうかよく見たいと思ったから
4 自分のため、孫が手すりに布を巻いてくれたから
答案:4 3 1 3 4
[ゆっくり歩きいや。]ねえちゃんは、注意深くばあちゃんの体を支えて歩き出した。トイレに向かう二人がまり子の前を通り過ぎる時、まり子はいつも、思い出したように①テレビのスイッチを入れてみたり、カレンダーをめくってみたりする。どんな顔をしていればいいのか、わからないのだ。まり子のばあちゃんは、いつでも元気でたのもしくなければ嫌だった。だから、ねえちゃんみたいにばあちゃんをトイレに連れていくことが、どうしてもできなかった。
ねえちゃんが家にいない時は、誰も手を貸せる者がいないから、ばあちゃんはおまるを使う。ばあちゃんは、おまるを使うのをとても嫌がった。まり子は一度、一人でおまるにしゃがんだまま、涙をぽろぽろこぼしているばあちゃんを見てしまったことがある。②胸がきゅんとなった。それでもまり子には、ばあちゃんをトイレに連れて行く勇気がでなかった。ねえちゃんは、トイレから戻ってきて、ばあちゃんを隣の部屋に連れて行くと、ガラス戸を閉めて、ぺしゃんと座り込んだ。[うちがお嫁にいったら、ばあちゃん、とうとうおまるばっかりになるねえ。あんなに嫌がっちょるのに。]まり子は、ひざの上の<りんごさん>をぎゅっと握って、黙ってダンボール箱へ押し込んだ。
十日ほどたって、ねえちゃんの婚約者と仲人さんが、婚約式の打合せにやってきた。うだるような暑さで、皆冷たいものを飲んでいたが、だが一人、ばあちゃんは、ほとんど何も口にしなかった。母さんが途中で気づいて茶を勧めても、ばあちゃんは小さく笑って、首を③横にふった。[のりえさんの小さい時の写真を拝見したいものですね。]という声に、まり子は気をきかせて、ばあちゃんの部屋にアルバムを取って行った。アルバムを取りだしたまり子は、なにげなく部屋を見渡した。(あれっ。)おまるを消えている。よく見ると、おまるは大きなふろしきでおおわれていて、その上に、去年、ねえちゃんがばあちゃんのために編んだ、うす水色のひざかけがかけてあった。(ばあちゃん、なんでこんなこと……)まり子は隠れたおまるをにらんだ。(ばあちゃん、おまるを見られるのが嫌だったんだ。ねえちゃんに迷惑かけたくなくて、それで④朝から何も飲まなかったんだ。)きがつくと、はだしで店先へ飛び出していた。(そうだ!)まり子はそのまま、物置へ走った。
しばらくして、まり子はみんなの前に戻ってきた。まり子は、ばあちゃんのそばに行くと、耳元でささやいた。[ばあちゃん、一緒にトイレに行こう。]ばあちゃんは、とっさにガラス戸の向こうを見た。そして、くちびるをかすかに動かしてまり子を見た。まり子は、ごわっとした、しわだらけの手を握った。ばあちゃんの体は考えていたよりずっと重く、立っているのがやっとだった。はじめの一歩がなかなか踏み出せない。[まり子、もうええよ。]ばあちゃんが言った時、誰かがひょいと、まり子のおしりを押した。[まり子、がんばれ。]姉ちゃんの声だ。はずみで右足がついっと出た。一歩、二歩.肩にかかる重さで何も考えられなかったが、ばあちゃんと二人で歩き出せた。まり子は、ひじでトイレのドアを開けると、ばあちゃんにあごで合図した。[ばあちゃん、<りんごさん>よ。覚えちょる?]⑤ばあちゃんは目を細めると、指の節がごきりと太くなった手で、手すをなでた。[手すり、握りやすかろ?<りんごさん>のすべり止め。]まり子は両足をふんばってばあちゃんの重みを支えながら、もう一度<りんごさん>を見た。
注1 ゆっくり歩きいや:方言。人を労わる感情がある。標準語では[ゆっくり歩いてね]注2 おまる:持ち運びのできる便器注3 うち:わたし注4 嫌がっちょるのに:方言。標準語では[嫌がっているのに]注5 [りんごさん]:幼いころ、祖母がりんごのアップリケをつけてくれた、まり子のおきに入りだったTシャツ。段ボール箱に入れて物置にしまわれていたが、姉が古着の整理をしている時に出てきた。
注6 もうええよ:方言。標準語では[もういいよ]注7 覚えちょる:方言。標準語では[おぼえている]注8 握りやすかろ:方言。標準語では[握りやすいでしょう]
問1 まり子は①[テレビのスイッチを入れてみたり、カレンダーをめくってみたりする]と書いているが、どうしてか。
1 カレンダーに面白いテレビ番組がある日が書いてあるから
2 ばあちゃんの顔を見たくないから
3 姉ちゃんの手伝いをしたくないから
4 元気なばあちゃんしか見たくないから
問2 ②[胸がきゅんとなった]時のまり子のきもちはどんな気持ちか。
1 ばあちゃんは年をとった。
2 ばあちゃんはどうして泣いているのだろう。
3 ばあちゃんがかわいそうで切なく感じる。
4 ばあちゃんが泣くなんて、大人気ない。
問3 ③[横にふった]の意味はなにか。
1 いりません2 どう言う意味ですか3 あとでいいです4 気を使わないで
問4 ④[朝から何も飲まなかったんだ]のはどうしてか。
1 喉が渇いていなかったから
2 誰も飲み物をもってきてくれなかったから
3 トイレに行きたくなかったから
4 お茶がそばに置いていなかったから
問5 ⑤[ばあちゃんは目を細めると]と書いているが、ばあちゃんはどうして目を細めたのか。
1 どうして滑り止めを手すりに巻いたのか、考えたから
2 目がよく見えなかったから目を細めたから
3 新しい布を使っているかどうかよく見たいと思ったから
4 自分のため、孫が手すりに布を巻いてくれたから
答案:4 3 1 3 4